カウンセリングって、「ただ話すだけの場所」だと思っていませんか。
でも、それなら家族や友達や先生やお医者さんに話すのと何が違うのでしょうか。
実は、「話すこと」「感じること」を丁寧に重ねていくことが、
深い気づきや変化につながっていきます。
この記事では、カウンセリングの効果がどこからうまれるのか、
クライエントとカウンセラーそれぞれの視点について、やさしくお伝えしています。
「カウンセリングを受けてみたいけど、どうやって選んだらいいの?」
「今受けているカウンセリングは自分に合っているのかな?」
そんな疑問をお持ちの方にも、参考になる内容です。
カウンセラー側の要因
問題を適切に理解する、見立てること
カウンセラーには、まず、目の前のクライエントさんの状態を
「適切に理解し、見立てる力」が求められます。
カウンセラー自身に、自分の乗り越えた体験がある場合、
それが得意分野になり、その分野においては、
効果的な介入ができるかもしれません。
けれど、それ以外の分野については、盲点が大きいかもしれません。
また、いろんな資格をとってたくさんの知識を身につけたり、
たくさんの事例を経験してきていれば、
その経験から、一番根っこにある問題を導き出しやすくなるかもしれません。
けれども、カウンセラー自身が、自分の問題と向き合った体験がほとんどない場合、
人間味に欠いた対応がなされてしまう可能性もあります。
資格の有無や手法に関係なく、それぞれに強みや限界があるのです。
さらに、心理的な問題は、さまざまな問題が複雑にからみあっています。
性格や特性の問題、家族の問題、依存などの生活習慣の問題、過去のトラウマ、
年齢や今現在の環境の要因なども重なっています。

その中で、必要なのは、
今、「何が必要なのか」「どの課題に取り組むのか」
「どの課題は今は取り組まない方がよいのか」の見極めになります。
これが、カウンセリングが効果的になっていく際の、大きな鍵になってきます。
この見極めが適切でなかったり、
クライエントさんと一緒に目指しているゴールがずれてしまっていると、
せっかくカウンセリングを受けても、
効果が出なかったり、逆に悪化したりしてしまいます。
心の動きや変化を丁寧にとらえる姿勢、関係性
カウンセラーにとって大切なのは、
クライエントの心の動きを丁寧にとらえていく、感じとっていく、
適切なトレーニングを受けているということです。
言葉では表しにくいことがらが、表情や手ぶりや身ぶり、
姿勢や呼吸でも現れることがあります。
クライエントさんの状態によっては、
あえて話をしすぎないことが大切なこともあります。
そして、カウンセラーにとって大切な姿勢は、
一つの理論や技法を、一方的に当てはめるような、
上から目線のやりとりではなく、
心の動きを丁寧にとらえながら、時には、寄り添い、ともに揺れ動きながらも、
クライエントさんの心のスペースから芽生えてくるものをしっかりとキャッチしていくこと。
このようなカウンセラーの姿勢とクライエントとの関係性の中から、
カウンセリングの効果が生まれていきます。
日常とカウンセリングのつながりを意識すること
人が何か変化していく、成長していくというのは、
一足飛びにはいかず、プロセスが大事になってきます。
変化は、カウンセリングのセッションの中だけでなく、日常の中で育まれるものです。
人は、考え方を変える、感じ方を変える、習慣を変える
というのは、時間もかかるし、根気もいるし、抵抗も大きいし、
すぐに忘れ去って、元に戻ってしまうものです。
ですので、伝統的な精神分析だと、週に4回のセッションが行われたりします。
では、少ない頻度のカウンセリングだと効果がないのかということでもなく、
そのときに大切な視点が、
カウンセリングを受けていない日常でも、どんなふうに自分と向き合っていくかということの手がかりを、
カウンセラーが一緒に考えて、クライエントさんと共有していくことが大切です。
つまり、「宿題」に取り組むことが大切です。
長らく心理の仕事をしてきての私の後悔は、
このような視点を大事にしてこなかったことです。
もちろん、変化に向かっていくこと自体が難しい状況があれば、
そこには、一体どんな引っ掛かりがあるのかな・・・と、
カウンセラーに一緒に考えてもらう、寄り添ってもらうプロセスも大切です。
クライエント側の要因
「一緒に取り組む」意識
あまりに苦しく辛いときには、
「カウンセラーが全て導いて、治してくれる」という大きすぎる期待を抱いてしまう、
そんなことが起こることもあるかもしれません。
けれども、それは現実的ではないので、
打ち砕かれたり、傷つきを深めてしまう結果になってしまいます。
大切なのは、少しずつ信頼関係を一緒に育てていくこと。
これが、カウンセリングの効果に直結します。
「こう感じた」をまずは共有してみたり、自分のペースで話してみたり、
うまく話せなくても大丈夫です。

伝え方や受け取り方をお互いにいろいろと工夫したり調整していく、
そんな共同作業の積み重ねによって、カウンセリングの効果が生まれていきます。
焦らずに、オープンでいようとする姿勢
一生懸命で真面目な方だと、カウンセリングで思うように話せない、
気持ちを出しきれない、すぐに変わっていかない、ということで、
逆に落ちこんでしまったりもあるかもしれません。
そんなときは、心配しなくても、大丈夫です。
1回のセッションで、劇的な化学変化のようなものが起こって、
一瞬にして変容が起こる、そんなマジックのようなことは、奇跡に近いと思います。
逆に、心においては、一気に起こる急激な変化は、逆戻りしやすいし、副作用も起こりやすいです。
一見、地味で、時間のかかる、なんの変化もないかのような小さな気づきややりとりの積み重ねが、
少しずつ少しずつ、自分の心に染み渡っていき、やがて揺るぎない変化へと向かっていく力になっていきます。
「話すこと、感じること」から始まる変化
カウンセリングとは、「劇的な奇跡」ではなく、「地道な対話と小さな気づきの積み重ね」から
効果が生まれてくるものです。
そして、より安心して対話と気づきを深めていくために、
私は、身体感覚に耳をすますソマティックなアプローチも大切にしています。
言葉にならない感情が、身体を通してふとほどけていく、
そんな瞬間が、変化を促していくことを実感しているからです。
(参考記事:話すだけでは変われない?身体の声を聴く、カウンセリングの新しいかたち)
カウンセラーを選ぶときには、肩書き、資格や人気だけでなく、
あなた自身が感じる「相性」や「違和感のなさ」も大切な判断材料です。
あなたの問題を丁寧に理解し、
変化の芽があなたの中から育つことを信じて寄り添ってくれる、
そんなカウンセラーとの出会いを、ぜひ大切にしてください。